経営者の方が確定拠出年金を敬遠する理由のひとつとして、確定拠出年金で用いられる用語が難しく理解しづらいというものがあります。特に従業員の方に直説関係する運用商品の中で投資信託に用いられる用語は、日頃聞き慣れない言葉が続々と飛び出し、よりその理解を難しくしているようです。
投資信託は確定拠出年金に限らずごく一般的に購入できる商品ですから、投資信託の用語が難しいから確定拠出年金を敬遠するのは早計ではないかと思います。が、たしかに投資信託の用語は購入者の立場で考えられているとは言い難く、理解しづらい上に運用責任が従業員にとなると確定拠出年金の導入に躊躇するのも当然だと思います。
そこで今回は、投資信託の用語をより理解しやすくするためにキーワードを整理してみたいと思います。
□基準価額・・・・・・時価
投資信託の日々の時価のことをいい、株式の株価に相当するものです。購入や売却を判断する金額となります。
□信託報酬・・・・・・運用・管理手数料
運用会社などに支払う手数料です。この手数料は日々支払いますが、基準価格(時価)は手数料を控除した後の金額となるので、支払いの実感がわかない手数料となります。
□信託財産留保金・・・解約時控除金
解約(売却)時に売却費用の名目で控除される金額です。
□信託期間・・・・・・運用期間
投資信託商品そのものの運用期間となります。この運用終了日を超えて投資信託商品を保有することはできません。
□ベンチマーク・・・・比較指数
投資信託商品そのものの運用成績のよしあしを比較するための指標となります。国内株式を対象とする商品であれば代表的な指標として「日経平均株価」や「TOPIX」などがあります。
このほかにも用語はたくさんありますが、最低限これらの用語の意味がわかれば投資信託への理解がより深くなります。
貯金だけでは資産形成がなかなか難しいご時世です。投資信託の知識を得ることは資産形成を行う上で大変有意義な事です。まずは確定拠出年金にとらわれず投資信託の知識を深め、その後改めて確定拠出年金について考えてみると、違った角度から確定拠出年金をみることができると思います。
田畑啓史(TBT東京オフィス:2006年11月20日)記
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経営幹部・人事部門の管理者の皆さん
皆さんは時間外労働、有給休暇に関してどのようにお考えでしょうか?
「社員は有給休暇を労働者に認められた権利と思う。
しかし、有給休暇には成果を上げる義務が伴うことを認識していない」
すでにご存知の通り年次有給休暇とは労働者に対して最大1年間に20日有給で休日を与えなければいけないという制度である。これは労働者に認められた権利である。入社して6年半勤務した労働者には20日の有給休暇が認められるのである。極端な見方をすると、一般的に1ヶ月あたりの労働日数が平均21〜22日になっている今日、全社員が20日の有給休暇を取得する権利を保有する会社は1ヶ月弱働かなくても暮らせるだけの賃金の原資を用意しなければならないわけだから、12ヶ月分を11ヶ月の労働で成果をあげなければいけないことになる。
これをもし人員を増やさずに達成しようとするならば、社員は年20日の休暇をとることができる代わりに生産性を1割以上高めないと有給休暇取得により発生する負荷をゼロにすることはできない。ところが有給休暇取得に伴い生産性を10%も上げなければいけないことを労働者と共にしっかり認識できている会社をあまり見受けない。
ところで、厚生労働省のまとめにより依然減らぬサービス残業の実態が明らかになり、昨年度未払い総額232億円、是正指導最多の1524社にのぼった。同省は11月を「賃金不払い残業解消キャンペーン月間」とし23日に電話で無料相談を受け付ける。さらに年次有給休暇の取得率をあげるよう指導するようである。
さて、経営サイドがこれらすべての問題を解決しようと真剣に取り組み始めると途轍もなく負荷が大きいことに気づくはずである。労働基準法により法定外労働に当たる残業は25%、深夜労働25%の割増賃金を払わなければいけない。これは残業が午後10時から午前5時に及んだ場合には150%の賃金支払いになることを意味する。監督署が調査に入った場合、実態で判断されるため労働者が職場で仕事をしていたと判断されればそれは労務の提供がされていたとみなされ賃金不払いの是正指導を受ける可能性がある。
職場に労働者がいて仕事のできる状態であれば、労務提供の中身はどうでもよいのだ。IT関連会社などでよくある例だがもし規定の労働時間中はのんびりすごして5時からエンジンスタート、さあ仕事をしましょうというバイオリズムの社員が居たとする。彼は夜中にアイデイアが浮かぶらしい。残業代を払ってほしいと言わないからまあいいだろうと、何の制限もなく夜中まで会社に居ることを認めていたとする。これは完全に残業代不払いのケースに当てはまり過去2年間の実態調査がされ残業代を支払うよう指導されることになることが予想される。これは能力にあまり差のない社員でも朝8時から午後5時までに一番労働発揮能力が高く設定されている社員と比べると約1.5倍の高い人件費を用意しなければならないことになる。社員一人ひとりの時間当たり生産能力の管理を怠るととんでもない人件費増につながることになりかねないのだ。
どうやら、企業の業績拡大が非常に困難な今日、会社規模の大小如何に拘らず組織活性化の人材開発戦略に取り組まなければいけない時が来ているようである。
田畑治代(TBT京都オフィス:2006年10月13日)記
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先日、新聞報道にて確定拠出年金(日本版401k)の加入者数が200万人を超え、また、運用残高が2兆5000億円を超えたとの報道がありました。
私どもが退職金制度の制度改定のお手伝いする際、新制度の外部積立制度をいくつかご提案することがありますが、その際さまざまなご意見を頂戴いたします。その中で、確定拠出年金で多数頂くご意見が、「わが社の社員に株の売買はできない」、「運用責任を社員に負わせることはできない」といった投資に直接関係するものです。たしかに、外部積立制度の中で従業員の方がご自身の判断で退職金の資金を積み立てる制度は確定拠出年金の特徴であり、運用の結果によって受け取り金額が変動するためこのようなご意見がでるのはもっともだと思います。
しかしながら、このようなご意見について詳しく内容をお聞きすると、運用・株という言葉のイメージが先行し、そのイメージで外部積立制度としては適さないと判断されているケースが少なくありません。運用の面から見れば、適格退職年金、厚生年金基金、中小企業退職金共済制度などの他の外部積立制度でも金融市場で資金の運用を行っており、運用結果によっては企業の掛金が増加したり、給付率の逓減が行われたりと大きな側面では決して運用結果と無関係とは言えません。株の面から見れば、確定拠出年金の運用商品の中で株式市場を活用するものもありますが、預貯金をはじめ元本(運用資金)を下回らない商品を最低でも一つ選択肢に加えなければならないと法律で定められており、個人ごとの運用商品の選択によっては必ずしも確定拠出年金イコール株とはなりません。
外部積立制度を退職金の支給原資確保のための制度と割り切るのであれば、個人責任が発生する制度を無理に活用する必要はありません。しかし、多くの方が老後の生活資金として退職金をその原資として活用されている現状や、公的年金の給付削減による老後の生活資金の自助努力が必要になっていることを考慮すると、公的年金の補完的制度として設計されている確定拠出年金は他の外部積立制度と一線を画す存在であるとも言えます。
退職金制度の改定は、その企業ごとに取り巻く環境が様々であり、一概にこれだといった制度はありません。様々な情報が氾濫する時代ですが、その情報に惑わされることなく多面的に判断することが制度改定成功の秘訣となります。
田畑啓史(東京オフィス:2006年10月13日)記
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